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ネック折れ

 ギターのトラブルでギターを倒してしまったり搬送事故などでネックが折れてしまったという事がよくあります。 愛器のネック折れを発見したときはかなりの精神的ダメージを受けるのではないでしょうか。私の所に運ばれる 修理品の中でもネック折れの修理は大変多いです。中でもやはりギブソン系が大半を占めます。レスポールなどは 構造的に折れ易く、材料もマホガニーという柔らかく軽い木材を使っている為、ちょっとした力でも簡単に折れて しまいます。

 ネック折れは大抵ヘッドに角度がついている物で、強度が弱いロッドアジャスターやナットの裏付近で折れます。 折れ方はでヒビが入ったり、裂け目がぱっくり開いてヘッドが傾いてしまったり、完全に取れてしまったりと様々 です。ヒビは軽傷に思われがちですがボンドがヒビの奥まで到達しにくく修理が難航する場合があります。折れ方 でも木目に沿って折れた物は接着強度が出ますが木目に垂直に割れてしまうと基本的には接着強度は出ませんので 補強などの処置が必要になります。ネック折れの修理での接着にはタイトボンドを使います。タイトボンドは 楽器の補修用接着剤としては有名で多少隙間があっても協力に接着してくれます。

 ネックが折れてしまったギターは残念ながら元々ネックの強度が弱い物もあります。ネックが折れる仕様としか思えま せん。接着後強度を確認するのですが強度的に問題がある場合は元のネックの形状ではなく、オーナーの了解を得て当 て木をし、レスポールカスタムのような凸をナット裏に付ける事もあります。レスポールカスタムは従来のスタンダー ドで起きる強度的な問題の対応策としてこのような形状を考案したと思いますが、一般的にはマイナーチェンジにはな らずレスポールのバラエティの一端としてしか認識されていないような気がします。ギターの世界は面白いですね。 完成度はあんまり求められていないみたいです。レスポールは50年前から進化していません。自動車で言うと昔の オート三輪が今だ生産され、売れ続けているようなものです。

 修理が完了したからといって安心して今までと同じ扱いをするとまた折れる可能性がありますので注意してくださ い。木は平らな面と面は協力に接着しますが割れなどで出来た凸凹面の接着力は不安定になります。通常の使用では問題 ありませんが弾かない時は弦を緩めるなど多少考慮していただけると嬉しいです。以前あった話ですが、ハードケースに は入っていたものの弦を貼りっぱなしの上車の中に何日も放置しておいて修理した所がまた割れてクレームで戻ってきた 事がありました。熱で接着剤が緩み少しずつ剥がれていくと塗装も少しずつ割れて行く為傷口の塗装も柔らかく裂けてい きます。一瞬にして割れてしまうと通常は塗装の割れ口もガラスが割れたみたいに鋭い傷口になります。木工での割れ 修理は完全に元通りになることはありません。ネック折れを完全に治したい場合はオリジナルからかけ離れますが ネック交換するしかありません。