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フレット交換、調整

フレット交換前 フレット交換後 ピカピカです
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フレットは音程を決めるだけではなく、音質にも影響する為非常に重要な部分です。刀で言うと刃と同じだと思います。定期的に砥ぎ、手入れをしなければ刀としての役割を果たしません。 プレイヤーにとってフレットは消耗品で、弾けば引くほどにフレットは磨耗し変形していきます。ピックと同じ、変形してしまったら交換しましょう。

変形していなくても艶が完全に無くなってしまったフレットでは良い音にはなりませんので磨くなどして日ごろから手入れを心がけましょう。ギターはボロボロでもフレット、弦がピカピカだと ステージでもスポットで光りかっこいいですよ。そんなギターが個人的にも好きです。

作業手順

まず、フェンダーなどボルトオンネックはネックを外してネックの状態で作業します。スルーネック、セットネックは傷が付かないようボディー、ヘッドにクッションを巻き、 指版周りにマスキングします。ナットも外してしまいます。そしてフレット抜きに入ります。

 フレットを交換するにはまず、フレットを抜かなくてはならないのですが少しコツがいります。フレットの足には返りが付いているので力任せに引っ張ると指版が剥がれてしまいます。 専用のニッパで端の方から指版が浮かないように少しずつ挟みながら浮かせていきます。メイプル指版はそんなに気を使わなくても大丈夫ですがローズ、エボニーは指版が剥がれ易いので注意が必要です。 メイプルでもスキャロップが施してある場合、作業が困難になります。浮き防止の為接着剤を使っているとますます困難になります。

フレットを全て抜き終わるとフレットを打つ準備をします。指版修正が必要な場合はここでしますが詳しくは指版修正をご覧ください。通常のフレット交換でも指版の擦り合わせはします。 フレットを抜いた時に出来る溝脇のささくれた部分を修正するのと若干の歪みを修正します。

メイプル指版は表面に塗装がしてありますが、フレットを抜く前にカッターでフレット上に被っている塗料を取り除きます。フェンダーで指版修正する必要が無い場合はフレットを抜いた後#600程度の 紙ヤスリで指版表面を粗化し、状態が良ければそのままフレットを打ちラッカーでオーバーコーティングします。塗装の状態が悪いとカッターで切れ目を入れるとバリバリ割れたりします。原因は下処理の 塗装とクリアラッカーの密着が悪いとかクリアラッカーの劣化などがあります。塗装の状態が悪いときは指版の塗装は全て剥がし、下地塗装をした後フレットを打ち、フレット脇の面取り後クリアラッカー をコーティングします。カラーリングが必要な場合や黄色変化している物は指版以外の部分と同色になるよう色合わせをします。

ギブソンでオーバーバインディングが指版に施されている物はフレットを抜いた後、フレット脇バインディングの飛び出た部分は取り除き、平にしてしまいます。よく使い込んでいるギターは指版が抉れて いる場合がありますが抉れは修正しません。指版の擦り合わせ後溝の修正が必要な場合、修正します。溝の中に異物が無いか、溝の深さ、幅が十分にあるかチェックします。準備ができたらいよいよフレット を打ち込みに入ります。

交換するフレットは安い国産のフレットで十分だと思いますが若干フレットの足の幅が違うのでギブソンなどに国産のフレットを打つ場合は溝を少し広げてあげないと打てません。バインディングが施してある ギターはフレットの足を両端、指版の幅に合わせてカットします。バインディングの無いギターは幅を少し広めにカットします。フレットは打ち込む前に指板よりきついアールをフレットにつけることにより、 フレット端の浮きを防ぐことが出来ます。打ち込む時はネックを硬めの枕などに固定し、打ち込むフレットの直下はテーブルから浮きがないようにします。フレットトップに傷がつかないようプラスチック ハンマーを使います。打ち込むときはハンマーを短く持ち、指板にハンマーの打痕など付けないよう気をつけながらネックに対して直角の角度で打ちつけます、平行からだと絶対にフレットがまっすぐ 入っていかず、斜めになってしまいます。